「インフォデミック」という言葉にもあるように、
日々膨大な情報に触れていると、何が正しいのか、
何を信じていいのかよくわからなくなってしまうことがありますよね。
そんな時、皆さんを助けてくれるのが「ロジカルシンキング」です。
(社会人の皆さんには釈迦に説法のようなお話で恐縮です…!)
ロジカルシンキングの基本中の基本である、
三角ロジックを知っておくだけでも、
様々な情報の真実が見えやすくなってきます。
まず三角ロジックとはざっくりいうと、
「事実・データ(根拠)を基に、自分なりの理由付け (解釈)をして、
意見を言う」といった論理的な説明の仕方のことを言います。
早速ですが、一つの例として、
少し前に話題となっていた経口中絶薬の薬事申請の件について
この三角ロジックを使って考えてみましょう。
ネット上でいわゆる「大炎上」していたのは、
とりわけ以下のような主張に対してです。
「経口中絶薬が承認されたら、簡単に中絶できるから、
性に奔放な女性が増える(ので反対だ!)」
うーん、これは確かに炎上しそうですね(汗)
これを三角ロジックにあてはめるとすると…
主張は…
「経口中絶薬が承認されたら性に奔放な女性が増える。」
論拠(理由)は
「簡単に中絶できるから」
ということになりますが、
事実・データとしてはどうでしょうか。
それには下記のような問いを考えてみるとよさそうです。
・そもそも経口中絶薬で中絶することは、女性にとって本当に「簡単」か?
・実際に経口中絶薬が既に普及している国では、
薬の普及をきっかけに中絶数が増えたか?
・「簡単に中絶できるならば避妊せずに性行為をしたい」
という「女性」の割合はどうか?
・そもそも「性に奔放」であることと「中絶」は関係するのか?
(性に奔放でも科学的な方法で避妊する人はいくらでもいる)
いずれも明確に検証はできていませんが、
少なくとも一つ目のものに関しては「簡単」とは言えないでしょう。
(外科的手術がないというだけで、腹痛も出血もある方もいますし、
何より精神的な負担は従来の方法の時と何ら変わりはありませんからね。)
事実はどうか?と考えるだけでも、
この主張の危うさが際立ちますよね。
つまり、主張とその理由に対して「事実」はどこにあるか?
「本当にそうか?」と考えるだけでも
色々と気づけるところがあるというわけです。
その「事実」の出どころやサンプル数などの確実性に目を向けることも重要ですね。
オンラインでもオフラインでも
堂々と自分の主張とその理由を話す人はいかにも論理的「風」に見えますが、
事実がなければ論理的とは言えません。
ロジカルシンキングというと、
なにやら難しいことを考える人たちが使うものという認識の方も
いらっしゃるかもしれませんが、
最も身近で皆さんのことを助けてくれる技術です。
身近なニュースや事柄をきっかけに、
まずは三角ロジックの基本「事実」に興味をもつことから始めて、
自分にとって有益な選択をしていく一助になれば幸いです(/ω\)
人事コンサルタント
金森秀晃