4月に新入社員の方が入社して、まもなく2ヵ月が経とうとしています。
新人さんも1日の流れをだんだんと掴めるようになり、業務が本格化し始める時期かもしれませんね。
この時期によく伺うのが、新人が率先して雑務をやりたがらないというものです。
指摘すると「やれる人がやればいい」「私の仕事じゃない」
と、上司側からするとご自身の若手時代には考えたこともなかった返事が返ってくるのだそう・・・!
経済学の用語で「合成の誤謬(ごびゅう)」という言葉があるのですが、まさにこの状態です(T_T)
これは各個人にとってはよいことであっても、全員が真似て同じことをしてしまうと、悪い結果が生じてしまうという意味です。
例えば雑務の代表格、ごみ捨ての場合だと…
分別用ゴミ箱なのに、急いでいるからとペットボトルを分別せずに捨てたとします。
すると”他の人もやってないからいいや精神”のような、負の連鎖が起こり、
ぐちゃぐちゃ、ニオイの素になるなど結果として誰にとっても”いい状態”ではなくなってしまうようなことです。
多くの会社や組織には、各部署の役割を明記したマニュアル等があると思うのですが、
どれだけ綿密に役割分担を行っても、狭間が生じます。
なぜならその狭間には、マニュアルに列挙されていない“見えない雑務”がたくさんあるからです。
“見えない雑務”は多くの場合、人が嫌がる仕事・やりたがらない仕事・注目度の低い仕事です。
上司や先輩の立場からすれば自分達もやってきたという自負がありますし、
「それも含めて新人の仕事だよ!」と言いたくなる気持ちもわかります…(;^ω^)
一方で新人側からすると、自分がやる意味もわからないし、それをやったところで自分の評価につながるか分からないし、
新しい事ばかりで手一杯だから自分の仕事を優先的に進めたほうが良いのでは?と、考えやすいようです。
そんなときに効果的なのは、私達(上司や先輩側)がひと手間かけて
「全体のために雑務が滞りなくなされるよう考えてくれている前提で声がけする」ということ!
例えば、以下のようなイメージです。
・コピー機を使うときに「こまめに用紙補充をしてくれてるから、すぐ使えて助かるよね」
・MTGでホワイトボードを使うときに「きれいに拭いておいてくれるから、ちょっと使うのもったいないくらいだね笑」
これをやり始めると最初は「そんなことありません」とか、中には「イヤミなのかな・・・」と捉える人もいるかもしれませんがそれは折込み済です!
むしろ、そう思う人が現れた方が、新人さんが考え始めるきっかけが作れているという意味で声がけが効いていると言えます。
声がけを続けていると、雑務をやってみた人が工程の修正点や疑問点を発見して理解が深まったりと、
少しずつ率先して動くようになります\(^o^)/
実際に課長以上が参加する定例会議で、毎回率先して議事録を作成していたら、
いつの間にかお客様に対する多様なアプローチ方法が身につき、提案資料を作成する際の文章力も向上しました!という方もいました。
こうした経験を新人同士が口コミ的に話すようになったらこちらのモノです笑
上司や先輩方が、新人に雑務を勧める理由がこれらだったら
仕事に意味を求める新人さんも少しずつ行動が変化し始めると思います。
ぜひ、トライしてみてください!
人事コンサルタント
金森秀晃