「義を見て為ざるは、勇なきなり」
『論語』の一節です。
何をすればいいか分かっていながら行動しないことは、勇気がないからだ
という意味になります。
先日、ある法人様の管理者候補層の研修をしていた時のことです。
ワークで仕事で困っていることをグループで共有していると、
ルールを変えようとすると、嫌がるスタッフが必ずと言っていいほど数名いて、その人達のせいで環境整備が滞っているというのが話題にあがりました。
変えない方がいいと言うスタッフの言い分を聞いてみると、
一言でいうと「安心だから」なのだそうです。
慣れないことをしてミスをして迷惑をかけるよりも、
多少効率が悪くともミスせず安心してできるから慣れ親しんだやり方を変えたくないのだとか。
(確かに医療業界はミスは命を危険にさらすことにも直結しますし、気持ちはわからなくはないですよね)
受講者の方は、ご自身にも同じような気持ちが少なからずあることもあり、
なかなか強行することができないんです、と話してくれました。
このようなケースは、詳細は異なっても多く聞かれるものになります。
この課題を解決するためにお伝えしているのは
目的と手段を分類することです。
何かを変えようとするときに周囲の抵抗がある場合は、
得られる結果ではなくて手順を確実に遂行することに注力しているケースが多いように思います。
つまり、手順を確実にこなすことが目的になり変わっている状態です。
よくある例としては、手技レベルの標準化を図るため(目的)にチェックリストを作った(手段)のに、✓をいれることが目的になってしまい、✓を入れているのに遂行されていなかったというようなことです。
決められた手順をこなすことが目的になっていることに気づくと
提案側が拍子抜けするほど慣れたやり方じゃなくていいなと自ら納得して新しいやり方にシフトしてくれる可能性が高まります。
ご自身の進めようとしていることの根幹を明確にする一助にもなりますので、ぜひトライしてみてください!
人事コンサルタント
金森 秀晃