「いくら優秀な上司を据えても3ヶ月ともたずに辞めたいと言われる」
「古参の職員が、職務権限を超えて、新規職員の処遇にまで言及するようになっている」
「何か注意するとすぐにパワハラだと騒ぎ立てられる」
「意図的に上司を無視しようというような動きがある」
「経験が長く部下の方が詳しい分野において追求されて使えない上司と揶揄される」
このような、いわゆる「逆パワハラ」でお悩みの経営者、管理者の方も珍しくないのではないでしょうか。
確かにこの状況が続くと組織の指揮命令系統が崩壊してしまうような、由々しき事態と言えると思います。
パワハラというと、上司から部下に対して一方的になされるものという認識をお持ちの方も多いと思いますが、
実は、部下側からのパワーハラスメントというものも十分に成立するものなのです。
(教師へのいじめが繰り返される、いわくつきのクラスのようなものですね)
実際に、産業医科大 医学部の50代男性教授が、大学側の不当な懲戒処分のせいで
部下の医師から「逆パワハラ」を受けてうつ病になったということで
大学や准教授ら計6人を相手取り、提訴したことなどは記憶に新しいですね。
さて、このいわゆる「逆パワハラ」。
防ぐには、組織としてどのような取り組みをしていくとよいのでしょうか。
重要なのはこの3点です。
1)誰でも加害者になるということを示す
「逆パワハラ」を繰り返す方が、
パワハラは「上司」など原則立場が強い人に適用されるもの
と信じている限りは、なかなか対処が難しいものです。
立場に関係なく、ハラスメントは存在するのだということを
しっかり示すことが有効な予防策になります。
(イメージとしては、相手が教師であってもいじめは許されないということを示すということですね)
2)職務権限(等級制度)を明確にする
職務権限を越えて勝手なことをする古株の方がいらしたりということで
困っている管理者の方もいらっしゃると伺いますが、
仮にそういう方に指導したところで、「これがうちのやり方だったのに。
そもそもそれは○○部長の主観でしょ?」など、言い返されるのが落ちでしょう。
そのため、組織として職務権限は明確に示し、何がよくて何がダメなのかの基準を示すことが欠かせません。
(これは小さな組織ほど重要な観点ですね。)
3)逆パワハラの証拠を記録しておく
これは通常のパワハラと同様で、証拠がないとどれだけ訴えても
対応しようにも対応がしづらいものがあります。
いつどういった発言があったのか、どういうことがあったのかは記録して、
証明できるようにしておくことをお勧めします。
パワハラも、逆パワハラもないのが理想ですが、
こういうことにしっかりと対処できる組織の方が
そうしたことが生まれないことも事実です。
仕組みと環境でハラスメントを防ぐ、というのも
一つのポイントと言えるのかもしれません。
最近、人事の世界で話題沸騰の「逆パワハラ」。
対策の参考になれば幸いです。
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人事コンサルタント
金森秀晃