「奇蹟の積み重ねでした」
海洋冒険家の白石康次郎さんの言葉です。
ヴァンデ・グローブという4年に一度開催されるヨットレースに、出場していた同氏が2月11日にフィニッシュしました。
完走はアジア勢初の快挙なのだそうです。
たった一人で、どの港も寄らずに世界一周をするこのヴァンデ・グローブは、世界一過酷な航海レースと言われています。
総距離約4万5000キロメートル、競技時間は約3カ月、計約2000時間にも及びます。常に一人でヨットを操縦するため、睡眠時間は、凪の時に細ぎれでとるしかありません。
実際白石さんも最後の2日間は全く寝ていないそうです。
先日ご本人が大会を振り返るニュースを偶然目にしたのですが、
言葉のひとつひとつに生命力が迸っているような、そんな感覚を覚えました。
それは「人生において絶対ということはない」ということを白石さんが体感していて
どんなトラブルであろうと、いただきものだと受け入れて前進しているからなのだと思います。
そのように感じたエピソードがあります。
先述したレースのスタート6日後に、
メインセール(主動力となる帆)が破れてしまうというトラブルに見舞われたことがありました。
一瞬「終わった」と頭によぎったそうなのですが
誰の手も借りてはならない状況で、船上にあるものだけで修理をし
「やれる所までやってみよう」とレースを継続しました。
まずは赤道を越えよう
次は喜望峰を越えよう
というように、やれる所までやってみようを何度も繰り返していく中でも
「ゴールできるかどうかはゴールする10分前まで確信できなかった」
と振り返っていました。
常に人生は絶対ではなくて可変的である、だから起こること全てが奇蹟だと意味を見出し
前進することに全エネルギーを集中することが出来るのだと思います。
私は実際に海へ冒険に出ることはできませんが、
日常を冒険化することはできるように思います。
毎日完璧にはできないかもしれませんが、起こることに奇蹟を見いだせるような生き方をしていきたいですね。
人事コンサルタント
金森 秀晃