”人の作る組織にとって、言われたことしか実行しない部下は役に立たないどころか組織の命取りになる。
こういうタイプの人間が増えれば増えるほど、その組織は発展していく力を失っていく。”
元サッカー日本代表 ジーコ の言葉です。
リーダー層の方でしたら「いまさら役割分担なんて当たり前では?」と思うかもしれませんね。
しかし、組織において「自分の役割はこれで、ここを任されている」と自覚して自らの作業を行っているスタッフはどのくらいいるのでしょうか?
もしかすると、日本のように決定権や裁量権があいまいになりやすかったり、空気を読むことが求められる環境ではなかなか少ないかもしれませんね。
スタッフは明言はしなくとも
「自分の仕事なのに自分の判断を信じてもらえない」
「あいつはサボっていたのに、優秀なやつと同じチームだからって評価を上げるなんてずるい」
「ほかの人がやってくれているんだから自分ががんばらなくても」
「だれかやるだろうから放置でいいや」
「これはだれの決定かわからないけど、先輩あたりが責任を取るだろう」
と考えるようになってしまっていても、不思議ではないかもしれません。
(個人の性格などではなく、環境がそうさせてしまう)
人のやる気を作るには、「その役割は任せた」と明確に伝えることだと思います。
これを実感したのは、普段と趣向を変えてみよう!ということでスタッフをチーム分けして、タイムトライアル(どれだけ早く作業ができるか)をしたときのことです。
お互いのできることを確認して役割を分担し、戦術を練って、敵の行動を把握して、何度も何度もやり直して、試行錯誤を重ねていました。
自分がもっと早くやって、1秒でも早くできるようになりたい。
自分の役割は、自分がしっかりやらないと。
と誰もが使命感と責任感で、普段よりも燃えていたように思います。笑
トライアルが終わったあと、勝ち負け関係なく
お互いを気持ち悪いくらいたたえ合っていました。
「あのときのサポート最高だった!」
「いやぁこれはみんなの勝利だ!」
「負けたけど楽しかったね!」
この経験を通じて思うのは、「モチベーションに火を付けるのは、役割を与え、任せ、認めること」だということ。
人間は、「自分には価値がない」と思った瞬間、なにもしなく(できないと思い込む)なる傾向があります。
でも「自分にしかできないことがある」と思えば、ものすごい力を発揮できるのだと思います。
人のやる気を作るなら
・具体的な目標を共有してゴールを明確に
・みんなの前で褒め、注意するときは人がいないときに
・失敗をフォローできる体制にし、挑戦しやすいように
などいろいろと考えられます。
しかし、先述した例からもわかるように人間が一番やる気がでるのは、
「お前が頼りなんだ!」「任せたぞ!」って状況のように思います。
ほかの誰でもなく「自分の仕事」だと自覚した瞬間に、人はやる気を出せるのだと思います。
任せたと言い切るにも勇気がいるかもしれませんが、ぜひトライしてみてください。
人事コンサルタント
金森 秀晃