「大事な案件を抱えているのに面倒くさくてやる気が出ない・・・」
「集中すべき仕事に取り組んでいてもすぐに飽きてしまう・・・」
と怠けたいと感じること、少なくないと思います。
このような時、私たちは「怠けちゃいけない!」と
怠け心を打ち消すという対応を取ることが大半だと思います。
が、怠け心はごく正常な反応なのだそうです。
先日とある法人様の脳外科の先生に伺ったのですが、
「怠ける」という行為は、人類の「生き残り戦略」と言えるのだそう。
私たちは生命体ですから、まずなによりも生き残ることが最大の目的になります。
私たちの体の消費エネルギーの内訳がどうなっているかというと、実は脳が消費する割合が非常に多く、なんと全体の約20%も占めているのだそうです。(考えれば考えるほど、エネルギーを使うということ)
ですので生き残るためには、面倒なことを考えるといった、脳をたくさん働かせるようなことは避ける必要が出てきます。
つまり、生命維持のために人類はもともと脳をなるべく働かせないように、怠けるようにできているのだそうです。
ご存知の方も多いと思いますが、アップル社の共同設立者のひとりであったスティーブ・ジョブズは、いつも同じ服を着ていました。
ジョブズは、同じ服を着ることで「今日はあのスーツにしよう、ネクタイはどうしようか」といった服を考えるということを自動化し、本当に大事な場面で間違いのない決断をするための脳のリソースを確保していました。
一般的に「怠ける」と言うと悪いことのように思いがちですが、そうとは限らないと言えますね。
そうは言っても、なんでもかんでも自動化すればいいということではないと思います。
「自分を成長させたい!」目標を持っているのなら、やはり意識的に脳に負荷をかけて鍛えることも必要です。
話を伺った先生は、自分の人生において自動化してもいいところとそうでないところを見極める、「軸」を自分に持つことが大事だと仰っていました。単に怠けグセを打ち消そうとするのではなく、本当に大切なことに全力を注いだり自分がやりたいことを徹底的に追求したりするために、それ以外のことはできるだけ自動化する。
このように怠け心を人生における、自分の「軸」を研ぎ澄ます材料として活用すると、人生をより充実したものにできそうですね。
人事コンサルタント
金森 秀晃