管理職の方向けの研修をしていると
「部下のことを上手く叱れない、説教が苦手です。
”こんなことを言われるのは嫌だろうな”というのが先に働いてしまいます。
どうしたらいいでしょうか?」
という質問をいただくことがあります。
この時に私がまずお伝えすることは、
「そういう方ほど管理職、リーダーとしての素養がある!」ということです。
なぜかというと、叱れないということは相手の事情や背景を考える想像力や共感力が高いからです。
多くの方のお話を伺っていると、叱れない方というのはそれらをおもんぱかり過ぎて叱れないケースが多いように思います。
リーダーの役割は、問題を使って当事者意識を高めることです。
”叱れない方”はご自身が本来お持ちの共感力を使って、部下の当事者意識を高めることで「目に見えている問題」の奥にある「まだ顕在化していない、根本的な問題」を吸い上げる力を秘めていると思います。
例えば、「壊れている血圧計がステーションに放置されている」状況があるとします。
その場の対応に終始していたら「使えない機器類を放置するなと言っているのに、あるじゃない! 何度言ったらわかるの!」と叱るだけになってしまうかもしれません。
もちろん、その場のリカバリーは重要なことです。
が、それだけではもったいない((+_+))!!
残念ながら、その場の対処のみで根本的な問題解決には至らず、また同じようなことが生じる可能性は高いように思います。
「なぜ、使えない機器類が放置され続けるのか」と冷静に問いを立て、「根本的な問題」を検証することができるはずです。
すると、「『何か不具合があるものはないか』をスタッフ全員と共有できていない」など、使えない機器類が放置されてしまう「真の原因」にたどり着くことができます。
リーダーがとしてすべきことは、部下がまだ自分事にしていない問題を自分事にし解決させることで自己効力感や意欲を高めることです。
これからのリーダーには「部下を辞めさせず、病ませず、やりがいをもってともに働き、目標を達成し続けられる力」がますます求められてきます。
”叱れない”、という強みを活かし、新しいチーム作りの参考にしていただけましたら幸いです!
人事コンサルタント
金森 秀晃