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反省は”させる”のではなく”する”もの

反省は”させる”のではなく”する”もの

「同じ間違いを繰り返さないでほしい」
「失敗を次の糧にしてほしい」
これは結果に拘り、部下の成長を考える上司の方であれば、考えない方はいらっしゃらないと思います。

となると、やはりいの一番に頭に浮かぶのは
「部下にいかに反省させるか」ということではないかと思います。
心を砕き反省を求めて、部下からは反省の旨の言葉が返ってきました。
「よし!これで次は大丈夫だろう」
と思っていると、また同じ過ちを繰り返す・・・
「あんなに反省していたのに、それを覚えていないなんて・・・。
どうしたらよいのでしょうか?」
と役割への責任感と諦めにも似た感情の狭間で揺れている、多くの管理者の方にお会いしてきました。

反省,させると,犯罪者に,なります

そのような時によくお伝えするのが、
『反省させると犯罪者になります』という本の一節です。
この本の著者である、岡本氏は実際に刑務所で受刑者の更生に携わる中で、こう確信するに至りました。
「反省させてはいけない。犯罪者に即座に『反省』を求めると、彼らは『世間向けの偽善』ばかりを身に付けてしまう。犯罪者を本当に反省に導くのならば、まずは『被害者の心情を考えさせない』『反省は求めない』『加害者の視点で考えさせる』方が、実はずっと効果的なのである」。
と述べています。

つまり多くの場合、私たちは問題行動を起こした人を”反省させよう”として、その態度を見せれば行動を改めると思い込んでいるとも言えると思います。
問題行動をした当事者側からすると反省を求められてるし、この場を早く終わらせたいから
ということで”パフォーマンス”として反省が上手くなるだけだということですね。
極端に言うと、反省してるっぽく見せることができれば、その場を逃れられるから反省しているケースも少なくないのかもしれません。

この話をすると、
えーーー!?Σ(゚д゚lll) と驚かれることもしばしばです。
「あんなに神妙な表情で、「○○さんに迷惑をかけた」とか言ってるのに・・・」と。

わかりました,二度としません,詐欺

人間のあらゆる行動には、当人なりの合理的かつ正当な理由があると言われています。
そしてその理由は本人自身も気づいていない(または気づきたくない)ことが少なくありません。
まず問題行動があった場合は、本人が抱えている不満・恨み・怒り・哀しみ・歎きなどの否定的感情を語らせ、本人がその行動に至った理由が分かって初めて、
自発的な反省(反省する)が生まれ、行動変容が見られるようになると思います。

働きかける側からすると、気が遠くなりそうですよね。
と同時に(見かけ上の)反省をさせることが、いかに当事者が自分の内面と向き合うチャンスを奪っていたかということに気づくこともあるかもしれません。
本当に問題行動をなくしていきたいなら、やられた相手の気持ちに立つ前に、まずは自分自身の脆さと対峙させる。
骨が折れるかもしれませんが、これに尽きるのかもしれません。

人事コンサルタント
金森 秀晃

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