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「わかりました、二度としません!」詐欺!?への処方箋

「わかりました、二度としません!」詐欺!?への処方箋

皆さんの周りに、指導するたびに
「わかりました、申し訳ありません。二度としません。」
と素直に宣言し、また同じことを繰り返す方はいませんか?

今までの私は、そうした方に出会う度に、
「なぜ何度も裏切るのだろうか」
「なぜわかったと嘘を付くのだろうか、変わる気はないのだろうか」
という感想を抱いていました。
そして同時に、どうしたら、本当に二度としないようになるのだろうかと
考え続けてきました。

ケーキ,切れない,非行少年

そんなとき、一冊の本に出会いました。
ベストセラーにもなった『ケーキの切れない非行少年たち』という書籍です。

この本を読んで私は、今まで人事の専門家として、
教育の専門家として様々な人材育成に携わらせて頂きましたが、
自身が常識だと思っていたことを根底から覆されたような衝撃を受けました。

何が衝撃だったかといえば…
私が専門とする、認知行動療法は、そもそも
「認知」をある程度正しくできることが前提であり、
大きく歪んだ認知をしている人にとっては無力であるということです。

私は、認知が大きく歪んでいる人間がいるという事実を
自身の思い込みで見逃していたような気がします。
(あるいは自分が認識している世界と
他人が認識している世界が同じとは限らないという事実
と言い換えてもよいかもしれません)

観察,分析,成功法則

冒頭の話に戻ると、
「二度としません」という言葉が口から出たとしても、
場合のよっては、その状況を認知する力に乏しいこともありうるため、
そもそも
「なぜそのような失敗をしてしまったのか」
「それがなぜいけないことなのか」
そうしたことを内省する力がない(認知する力が弱い)可能性もあるということです。

例えばですが、自分の側の常識で考えると、
ここで「わかりました、二度としません」と嘘をついたところで、
また同じことをしてしまうので、嘘だとわかってしまうだろうと
思うはずだということが前提にありますが、
実際には、そうした想像力がないという可能性も考慮に入れる必要があるということですね。
ただ今この瞬間の(怒られているという)不快な気持ちをやり過ごすためだけに
「わかりました」という人もいるということを考えなければなりません。
そうしなければ、いつまでたっても、
本当の「二度とやらない」領域にはたどり着けないわけです。
(筆者はこれを教育の敗北とおっしゃっていましたが、
まさにそのとおりだと感じました。)

多かれ少なかれ私達にはそうした認知の差が生じているということを
見逃してはならなりませんね。

いつも口酸っぱく言っていながら、今回改めて難しいと思った「共感」について、
相手の思考プロセスや解釈、心情のみならず、
認知・認識の範囲まで踏み込んで、コミュニケーションを取らねばと気づきを頂きました。

まだまだ出来ることがたくさんありますね!
日々精進!!

人事コンサルタント
金森秀晃

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