他の職種の人事評価制度は導入したものの、
医師の評価制度については二の足を踏んでいる・・・
という医療機関の方々も少なくはないのではないでしょうか?
しかし、医師の評価制度構築については、
・収益に直結する
・医師の離職率が下がる
・医師の採用が楽になる
・他職種のモチベーションがあがる
・他職種の人事評価制度がさらに生きる
などのメリットが大きいことから、
最近になって、やはり真剣に着手していきたいと
ご相談をいただくことが増えてきました。
色々なポイントはありますが、まず絶対的に重要といえる
最重要ポイントは「構築スタート前」の先生方とのコンセンサスです。
よくある誤解としては、評価制度を「施行する前」に
合意が取れていれば大丈夫というもの。
これは90%以上の確率で失敗するか、形骸化するので注意が必要です。
(なぜならば、事務方から勝手に押し付けられた指標に沿って
評価されることを、診療上の信念がある先生ほど許さないからです)
最悪の場合、先生方の集団離職などもありえるので、
突然やりますと発表するのは本当に危険です。
人事評価制度構築の最たる目的は先生方のモチベーションアップに他なりません。
方針の共有などももちろん目的の一つではありますが、
先生方のモチベーションなくしては成り立ちませんよね。
にも関わらず、いきなり評価制度を導入しますよ!と言ってしまえば、
「自分たちは勝手に作られた基準で裁かれる」
という印象を与えてしまい、モチベーションは低下、
スタート前から頓挫していると言っても過言ではありません。
ですから、まずは先生方の現状の組織への不満、
本来評価してもらいたいと思っていること、
逆に、こういう指標で評価されるのはモチベーションが下がるなどの意見を伺い
「評価制度をこれから作るということ、そのものを受け入れていただく手間」
をかけるべきなのではないでしょうか。
医師の評価制度構築は決して「難しい」というわけでありません。
先生方は日々、命というプレッシャーと戦っていらっしゃるわけなので、
私達には到底わかり得ない苦労や葛藤などもおありだと思います。
そうした方々に対して、手間をかけずにこちらの論理を押し付けるようなやり方では通用しない、
ただそれだけのことなのではないでしょうか。
私自身も今まで述べ300件以上は大小様々な医師の評価制度構築に携わって来ましたが、
先生方の多くは「適切な指標に基づき、しっかり評価されたい」と願っています。
そうした先生方の願いに答えるべく、日々精進して参りたいと思います!
人事コンサルタント
金森秀晃