皆さんは、かの有名なノルマンディー上陸作戦における、
影のドラマをご存知でしょうか?
中でも、「ブレクール砲塁攻略戦」の指揮官としても有名なウィンターズ氏の活躍は、
優秀な戦術としてもまたリーダーシップのあり方としても現代に語り継がれるところですね。
しかし、その影には、もうひとりの立役者がいることを忘れてはなりません。
ノルマンディー上陸作戦以前、空挺師団の訓練を行っていたソベル中尉です。
出来の悪い上官として描かれることが多い人物ですが、
ソベル氏がいなければ、ウィンターズ氏の活躍もなかっただろう・・・
というところが、今回のポイントです。
ソベル中尉は、部下たちにあらゆる難癖をつけては、理不尽で厳しい訓練を課しました。
とりわけ、優秀と言われていたウィンターズ氏の小隊には、
とりわけ拘って訓練を課したと言われています。
(事実かどうかはともかく、かなり、やり方が陰湿だったということは語り継がれるところです。笑)
当然、部下たちの反発は大きく、極限状態の中で上官への憎悪は膨らんでいきました。
その一方で、当時小隊長(少尉)だったウィンターズ氏への信頼は確かなものになっていきました。
訓練ではその才能を開花させていたソベル氏ですが
実践の場では、極度の方向音痴だったこともあり、
部下からかなりの不審をかい、結局左遷されることにもなるのですが・・・
後にウィンターズ氏は、この隊の強さは、ソベル氏の訓練の賜物とさえ称しています。
つまり、現場の人間からするととんでもない理不尽であったとしても、
その人間への憎悪や「ナニクソ」という精神を生み、
チームの結束を高めて、精神的にも肉体的にもチームを強くしたのは、
ソベル氏にほかならなかったというわけです。
もしソベル氏がそれを戦略的にやっていたとしたら、
もはや、「神の所業」と言わざるを得ません。
(戦略的でなければもっとやりようはあったような気もしますが!笑)
ともかく!何がいいたいかというと、
ここまでの極限状態も、理不尽、不納得というのも
現代の日本社会においてはなかなか存在しにくいところかとは思いますが、
少しの不納得、違和感というものは多かれ少なかれ毎日触れると思います。
そこが最大のチャンス!ということに気がつくことができたら、
人生はもっとエキサイティングに、楽しく、成果ももれなくついてくる
というものになるのかもしれない、ということですね。
理不尽も不納得も、成功・成長のための必要要素。
そのことを改めて歴史から学ばせていただいたような気がします。
人事コンサルタント
金森秀晃