「人事制度にトレンドってあるんですか?」
実はこれも、よく頂く質問のひとつです。
人事評価制度の歴史は・・・古くは1910年頃。
アメリカで人事評価の研究が開始されたといわれています。
ここでは、絶対評価、相対評価の概念や、科学的な根拠に基づいて評価を数値化することなどが模索されていました。
時代が移り変わったタイミングは1950年代頃。
ここに、「職務の評価」という概念が加わります。
成果主義、役割主義、能力主義なども言葉がでてきたのも、この頃になりますね。
日本でもよく用いられている目標管理制度(MBO)などもその一種です。
ちなみに、日本に取り入れられだしたのは、1970年代!(約20年遅れくらいですね)
能力主義とよばれる、成績考課、能力考課、情意(態度)考課の3方向から構成された、
よくある昔ながらの日本的な評価制度が普及したタイミングです。
(恐ろしいことに,進化することもなくずーっとこの制度のままの組織も存在しているような・・・!
もちろん機能していれば全く問題ありませんが!)
次に、2000年以降には、コンピテンシー評価、360℃評価など、
職務そのもの以外の部分の評価要素も加わるようになりました。
そして今!注目を浴びているのは・・・
ノーレイティング と呼ばれる考え方です。
マイクロソフト、アドビなど名だたる企業で成果が認められる仕組みですが・・・
ポイントは「コミュニケーション回数を増やす」ことを最大の焦点とした仕組みである
ということです。
また、上司を評価者とすることをやめ、最大の支援者にすることを重視しています。
ノーレイティングとは評価をせずに野放しにという意味ではなく、
より細かく、短く、接触回数をふやして、
場合によっては管理者に給料決める権限も一部含めた裁量も与えるという仕組みです。
そう考えると、よりシビアですが(笑)、非常に実効性の高いものですよね。
そうはいっても、日本で突然行うには少々ハードルが高い側面も否めません。
昇給昇格の絡みは一体どうなってしまうのか?
評価の公平性はどう保たれるのか?
課題は山積みです。
そこで!
私達は、ノーレイティングで重視されている下記2点
1)コミュニケーション回数を増やすこと
2)上司を評価する人ではなく、支援者とすること
従来のシステムと融合する形で制度を構築させていただいております。
人事制度は経営方針を示す、最大のメッセージといわれるほど大きなインパクトをもっているため、
拙速に変えすぎるのも少々リスクが高いと言わざるをえません。
制度を見直したいと思ったら、まず、ひと呼吸おいて、
人事制度の歴史、背景を踏まえて、無理なく効果的に制度を設計していくことが
肝要ということなのかもしれませんね!
最新のトレンドも踏まえた制度構築が聞きたい!という方は、
是非お気軽にご相談くださいませ。
人事コンサルタント
金森秀晃