先日上司と部下の関係で、このような相談をいただきました。
「私はほめられて伸びるタイプです」と言い、
逆にちょっと厳しく言うと凹んでしまう。
いい子なんだけど、仕事を進める上でかける言葉に迷うことがある、というものです。
教える側のうまさばかりが求められがちですが、
一方で教わる側も、教わるプロを目指すことで
同じ目標や目的を共有する”同志”として協働関係を作ることができ、
より良い成果を獲得できるように思います。
教わるプロになるための
ポイントは2つあります。
①教えてくれる人に弟子入りするかのような感覚を持つ
教わって間もないころは、
「なんだかそれは違う気がする」
というように違和感を抱くことが非常に多いです。
何かを教わる、というのは言い換えるとこれまでにはなかった概念を取り入れると言えます。
ですので、違和感を抱くのはごく自然なことです。
ココでポイントになるのは自分が弟子入りしたという感覚です。
多少違和感があっても、まずは郷にいては郷に従えというように
教える側の教え方に合わせようとすることができるようになります。
この感覚を持っていると、
「なんでもっとほめてくれないんだ」
「上司の教え方が自分に合わない」
「上司が自分の主張を押しつけてくる」と感じることが少なく、まずは一度受け入れてみることが出来るようになります。
②教える側のコストを考える
新しいことを覚える側も大変だと思います。
一方、教える側にも大変なエネルギーが必要です。
教える側は、教えたいように教えているわけではなく、
相手の反応を見ながら言いまわしを変えたり、
重点的に話す部分を調整するなど、観察にエネルギーを傾ける必要があるからです。
(新入社員の教育担当を初めてやった社員は、改めて実感するようです)
教わる側は、教える側の背景を認識しておくと、
多少イレギュラーなことが生じたり、
指摘をされても、相手の事を考えることで
客観視ができるので、いちいち落ち込むということが少なくなります。
上達のために指摘されたことを、
「自分の能力の無さを責められた」と考えるのか、
「いいことを教えていただいた」と解釈できるかが、
教わるプロになれるかの分かれ道のように思います。
最初はだれでも知識や技術は未熟だと思います。
ですがそれに甘んじることなく姿勢だけでもプロ(担当者)としての役割を果たそうとする。
これが教わるプロなのだと思います。
人事コンサルタント
金森 秀晃