本当はもっと本来の仕事の質を上げていきたいと思っているけど、忙しくて目の前の仕事をこなすことで精一杯。
それでも仕事は待ってはくれないので「その場しのぎ」で切り抜けざるを得ない。
本来は「その場しのぎ」を脱するための根本策を講じなければならないのに、精神的にも肉体的にも疲れ果てて、そこまで手が回らないと感じてしまう。
このような状況を経験したことがある方は多いと思います。
カリフォルニア大学のロジャー E.ボーン教授も、このままだと問題が深刻化すると述べています。
「その場しのぎ」 が生じる要因として考えられるのは 下記の3つとされています。
●「その場しのぎ」で充実感を味わい、結果的にこれでよしの認識に陥っている
●あまりにも時間に追われるため、根本対策を考えて実行する発想が頭から消えている
●「その場しのぎ」が社内認知されている
では、その場しのぎをなくしていくためにはどうしたらよいのでしょうか。
同氏が述べていることを踏まえて、簡単にまとめてみました。
①問題に優先順位をつける
そんなこと当たり前でしょ!と言われそうですが 笑
発生した問題に片っ端からむやみに食らいつくことを止められるのは、優先順位を決めることができていることの証明だと思います。
②問題をカテゴライズして、まとめて根本的に解決する。
問題が山積みすぎて、解決できる気がしない…
それはもしかすると思い込みかもしれません。
まとめて考えることで、解決すべき根本原因が見えてきます。
③「その場しのぎ」を条件付きで褒める
「その場しのぎ」をしようとするときは、みな死にもの狂いで集中力を発揮するため、
普段よりもパフォーマンスが上がることが多いです。
するとその部分だけを切り取って優秀な人材ということで、
「窮地から救ってくれた英雄」のように評価されて終わってしまう傾向が高くなりがちです。
凌いでくれたことに感謝しつつも、本来は対策を取れることだという指導も併せて必要になります。
現場ではイレギュラーなことは当たり前のように起こりますし、その場で対応するは前提として持っておく必要はあります。
とはいえその場しのぎの多くは、早くに予測できるリスクをそのままにして、決壊寸前に着手するケースがほとんどな印象があります。
このような時に対応するエネルギーの使いどころをかえてみると、私達がやりたいと考えていた本来の仕事ができる時間を増やせたり、質の追求ができるのだと思います。
人事コンサルタント
金森 秀晃