「不安は白い雲のようなものである」
コンサルや研修でたくさんの方とお話させていただくと、
仕事が思うように進められないというお声をよく伺います。
そこには「未知なことへの恐れや不安」があるように思います。
どこから手をつければいいんだろう
うまくできるだろうか
怒られたくない
あの人と話したくない、などなど。
このような心理的な不安をうまく自分の中で
コントロールできるかは仕事の成果を決める要素になります。
脳というのはそもそも
「不安感を持つというのが習性」
なのだそうです。
これは、私達が太古の昔から命を繋ぐために本能的に持ち合わせている事からくるものです。
(不安がないと、天敵が潜んでいるかもしれないとか、リスクマネジメントができないですよね^^)
しかし、多くの人は自分が「なぜ不安を感じているんだろう、きっと理由があるはずだ」と、不安それ自体に意味付けを行おうとし、結果的にそれが不安を「増幅」してしまっています。
日本でも著作『スタンフォード自分を変える教室』などが
話題となった健康心理学者のケリー・マクゴニガル氏は、
不安を青空に浮かぶ雲でこのように例えています。
”不安というのはよく晴れた青空に、ぽっかりと浮かんでいる白い雲のようなものだ。
その雲は、雨雲でも雷雲でもなく、青空をゆっくりと過ぎ去っていくただの白い雲なのです。
ところが、その雲ばかりに注意を向けてしまうと、
雲ばかりが気になって「この雲はなんだろう?嵐の前触れなのではないか?」と考え始めてしまうのです。”と。
なんか、上手く言えないけど分かる気がする・・・( ゚Д゚)!!
と画面越しにうんうんと頷いてくださっている方も少なくないかもしれません。
事実をそのまま受け取るのではなく、
湧き上がる不安に次から次と解釈や意味付けを行い、
結果的に不安を増殖させてそれが物事を前に
進められなくしてしまうということは本当によくあると思います。
例えば、営業で初めての訪問先であれば、
いろいろと緊張することもあるかもしれません。
「こんなに不安ということは、きちんとした商談資料を準備できないんではないだろうか」
「こんなレベル資料を持っていったら顧客に呆れられてしまう。だからこんなに不安なんだ」など、
まさに上に述べたように、
不安に次から次と「意味付け」することで、
さらに不安を増幅させてしまうという連鎖を招いてしまいます。
こうした不安の「負の循環」でなかなか仕事に集中できず、
結果的に成果が出せない方は想像以上に多いように思います。
このような状態に陥ったときには、
事実と不安からくる想像が作り出した不安を、二分して書き出してみましょう!
過剰に不安を感じているときは、脳が容量オーバーになっている状態です。
紙に書き出す事で、脳が整理され忘れさせる事ができると言われています。
そうすることで、
「あ、これは事実だけど、こっちは脳が作り出したイメージだな、だからこれは大丈夫。」
という感じで自分で不安感をコントロールすることができます。
参考になりましたら幸いです。
人事コンサルタント
金森秀晃