「賃金規程を変えたい! というときにどこから手を付けていいかわからない」
という方も多いのではないでしょうか?
そんな人事担当者の方向けに今日は、
5つのステップをご紹介させていただきます!
【STEP1】 評価制度を見直す
新たな賃金規程を設ける前に、まず、
その大元になる評価制度が適切かを考えみましょう。
評価制度が曖昧な状態で、賃金だけを見直すということは、下記の図のような状況です。
表層部分を滑らかに整えても、 深層部分は全く解決していないため、
修正しても修正して、根本的な解決が望めません。
【STEP2】 新しい等級(ステージ・グレード)に照らし合わせて、 新たな格付けをする
賃金移行には、下記の3つのパターンがありますが、
多くの場合、③が望ましいといえるでしょう。
①現行処遇を尊重して横滑り格付けをする
⇒ これはあまり波風がたたないという意味では便利な方法ではありま すが、望ましい形ではないですね。。
既得権益が尊重されてしまうため、 モチベーションの高い社員のやる気をそぐリスクが大きい手順です 。
②現行処遇よりそれぞれワンランク下げて格付けし、 向こう1年間の評価に基づき、
上位ステージに見合う役割・能力を示した者を昇格させる
⇒ 現状の格付けでやや甘い評価になっている方を元の水準に戻そうと いう目的の手順です。
ただし、少々厳しいやり方ではあるため( すぐに給与を下げるわけではありませんが)、
離職のリスクなどを考えると、 売り手市場のこの業界ではあまり得策ではないでしょう。
③役割や能力を規定した用紙に照らし合わせて、 各人毎に評価をして格付けする。
⇒最も合理的な手順です!
【STEP3】 新たな格付けをもとに給与を設定する
原則、改定前と後で、給与総額に差があってはいけません。
もちろん生活給ということもありますし、
何より、せっかく新しくした人事制度を「 経営者が給与を下げるために仕組んだこと」
というような印象を与えてしまったら、元も子もないからです。
そのために、中身の構成を変えても、
一次的にであっても「調整給」として差額を補います。
また、新しい評価に照らし合わせて、 給与の支給が少なかった場合は、
その等級(ステージ・グレード) の下限まで給与を引き上げてあげる必要があります。
【STEP4】 本来の格付けと実際の給与のギャップについて説明をする
実際に、期初、面談の場を設けて、
目標を共有し、調整給でギャップを埋めている状況、
数年間のうちに調整給がなくなっていくことを説明していきます。
「実際に果たしている役割と能力からいったら、
ただ、現状今まで支給していた額と比べて〇〇 円低い計算になりますので、
向こう□年間はこの差額を「調整給」として支給します。
□年間の間になんとか等級(ステージ・グレード) を上げていただき、
調整給がない状態でも給与水準を保てるように頑張っていきましょ う。
そのために必要なことは、この役割を果たしていただくことと、
そのためにこの知識・技能を身につけていただくことです。
サポートしていきますので、一緒に頑張っていきましょう」
【STEP5】 時間をかけて償却する
ここでも、いくつかのパターンがあります。
① 数年後かに一括して償却する
⇒これが最も単純でわかりやすいパターンといえるでしょう。
② 何年かかけて少しずつ償却する
3年均等償却
2年据え置きの3年均等償却etc
⇒徐々に償却されるのでダメージが少ない分、
昇給・昇格も絡んでくると償却分と昇給分で多少ややこしく
処理が煩雑になるということもございます。
③ 調整手当を減額しないパターン
※ こちらは10年後には定年退職するような場合は据え置きも有効な 手段です
もちろん5つのステップ以外にも、 細かい手順を踏んで丁寧に進めていきますが、
大枠の基本ステップは上記の流れになります。
賃金テーブルを改変したい!とお思いの方は、
是非、参考にしてみてくださいね!
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人事コンサルタント
金森 秀晃