皆さんは、ドイツの作家ミヒャエル・エンデさんによる名著『モモ』をご存知でしょうか?
私はこの本が大好きで、定期的に読み返しているのですが、
この本に触れるたびに、「時間」とは何か、
「時間」のパワー、価値とは何か、「人生」の価値とは何か?
について考えさせられます。
さて、私は、最近、若者と接していくなかで思うことがあるのです。
それは、彼らがとても「効率」を重要視しているということです。
とにかく「無駄」なことをしたくない、してはならない、
と急き立てられているようにも感じられることがあります。
それこそ、まるで、『モモ』の世界で、時間泥棒の「灰色の男たち」に洗脳されて、
セカセカと窮屈な規律に縛られて生き始めた世界の住人のように!笑
実は、かつての私もそうでした。
とりわけ、会社経営を始めた当初は、
売上に繋がらない飲み会、パーティーは無駄、
部下と仕事とは関係ない話をする時間も最小限にしたい、
空想や夢物語を語っている場合ではない、
必要な知識を必要なタイミングで本当に必要なものだけ入れたい、
そんな風に考えていました。
売上をあげるためには、1分たりとも無駄にできない、してはならない
という気負いがあったからでしょう。
当時の社員は相当窮屈な思いをして働いてくれていたと思います。
申し訳ない…_| ̄|○
しかし、人生の楽しみは当然そんなところにはありません。
最短距離で結果を得ることが重要なのではなく、
結果に対する妄想を膨らませて、空想の世界を楽しみ、
そしてその物語を共有し、共にワクワクしあうプロセスこそが、
人生における最大の喜びなのです。
これはリーダーが夢を語り、それに向かって目の前の困難に立ち向かう、
会社経営でも全く同じことが言えると思います。
『モモ』の世界では、主人公モモといると、
誰も彼もが自由は発想や空想を楽しみ、分かち合うことができるとされています。
そんな不思議な力をもった子どもなのです。
(最強のカウンセラーとも言えるかもしれませんね!)
モモがどうやって「灰色の男たち」から、奪われた時間を取り戻し、
もとの幸せな世界を取り戻したかは…
まだ『モモ』を読んだことのない方のために、
ここでは書かないようにしようと思いますが…笑
とにかく、今こそ、私達は「灰色の男」に心奪われてしまった人たちにとっての
「モモ」となり、人生の彩りを取り戻すお手伝いをする時なのかもしれないと感じずにはいられません。
まだ、読んだことのない方は是非、一度ご覧になってみてください(^o^)
児童文学ですが、大人の方にもとってもオススメです。
人事コンサルタント
金森秀晃