昨今話題の病院のコマンドセンター!
「うちもほしいなぁ…すごいなぁ」と思いながら
ご覧になっている方も多いのではないでしょうか。
医療業界以外の方のために補足させていただくと、
コマンドセンターとは
病院のあらゆる情報をリアルタイムで統合し、
最適な判断をサポートしてくれるという最新のソリューションです。
国立病院機構が運営する140の病院の中で、
京都医療センターが初の導入医療機関となり、大きな話題となりました。
しかもものすごい成果が…!
・入院患者数が7.4%増加
・救急搬送からの入院患者数が13%増加
・患者さんの重症化を早期に察知する院内迅速対応チーム (RRT)の起動件数が2倍以上増加
・看護部門の残業時間を40%削減
・医業収支が46%改善
・医業収支率が2.8%改善
なかなかにとんでもない成果です!笑
・病床稼働状況
・患者さんの状態と治療の進捗
・医療スタッフの配置と業務負荷
・検査機器や手術室などの利用状況
・地域全体の医療資源の状況
・危機管理・災害時の対応状況
こういった情報が一目でわかるようになり、
AIが混雑状況や急変リスクなどを予測してくれることで
的確なリソース配分、意思決定ができるようになるというスグレモノ。
まさに全国の病院が求めてやまないシステムだと思いますが、
噂によると導入のコンサルもあわせて「二桁億以上の投資」ということで、
かなり高額の投資ということになりますね…!
現状としてはそこまでの投資はできない…という医療機関が大半でしょう。
その前に老朽化した建物をなんとかしないといけない、
電カルの更新をしなければいけない、
辞めさせないために人件費をなんとかしないといけない、
そうした病院が圧倒的に多いと思います。
では、こういう病院は諦めるしかないか?と言われるとそうではありません。
コマンドセンターがもう少しお安くなるまでの間は
このコマンドセンターで功を奏しているポイントを抽出して
それらを先に実行してしまえばよいからです。
そのポイントとは何か?
それは一言で言えば
情報共有の仕組み
です。
リアルタイムでとか、AIの予測まではいかずとも、
短い時間で状況を知らせ合い、意見を出し合う仕組みができればよいのです。
例えばですが…
●情報が一元化された「今日の状況ボード」を共有する
病床稼働、救急搬送受入状況、看護師の配置、
重症化リスクのある患者のリスト、検査・オペ質状況等々、
これを1枚で可視化するだけで、判断スピードが変わるでしょう。
●毎日10分の “指令室ミーティング” を設定
部署の代表者が集まって、
状況ボードを元に「今日の全体最適」を毎朝10分で共有する。
それだけで、不合理なセクショナリズムを防ぐことができるでしょう。
●小さな違和感を全員で共有する
「うまくいえないけど、なんか変」
こうした情報は重症化の兆候につながることもあるでしょう。
AIで言語化されずともこうした違和感を共有する場があるだけで、
急変リスクを備えることができるかもしれません。
もちろん、このミーティングを行うスキルやマインドなどもアップデートしていく必要はあるのですが、
文化さえできてしまえば、あとはコマンドセンターが後から入ってきても
「今までやってきたものを機械的にやってくれる補助ツールがきたなぁ」
くらいの感触になっていくと思います。
弊社の病院経営コンサルティングは、
一般的なコスト削減や診療報酬の取り方だけではなく、
「コマンドセンターの仕組み版(体制版)」のような仕組みづくりをサポートしています。
(そうすればコスト削減も、診療報酬の取り漏れもいずれなくなるからです)
「コマンドセンター欲しいな…」
「でも高いなぁ…」
という方はぜひ組織の仕組みから始めてみませんか?
ぜひ未来型の病院経営を先取りしていきましょう!
人事コンサルタント
金森秀晃
