みなさんは、Wickedという物語をご存知ですか。
元はミュージカルですが、最近ではシンシア・エリヴォとアリアナ・グランデが演じた
映画バージョンでも話題になりましたね!
なんとなくは知ってるけどあまり知らない…という方のために少し補足させていただくと、
『Wicked』は『オズの魔法使い』に登場する“悪い魔女”エルファバの知られざる過去を描いた作品です。
生まれつき緑の肌を持つ彼女は、偏見と孤独の中でも正義を貫こうとします。
しかし、その強さゆえに体制に逆らう存在とされ、“悪”として扱われていきます。
一方、人気者のグリンダは権力側に立ちながらも、エルファバへの友情を失わず、
立場を超えて深く結ばれていく…そんな物語です。
観る人によってさまざまな解釈があると思いますが、
私は物語を観る中でこんな問いが浮かびました。
「グリンダはエルファバを裏切ったように見えるのに
(実際、グリンダさん何度もエルファバを裏切るようなことしてしまうんです)、
なぜ最後まで親友のままでいられたのだろう?」
みなさんはどう思われますか?
私は最初に見たときは、グリンダを嫌いになりそうでした(笑)
ですが時間を置くとグリンダの違った側面が見えてくるように思えてきて、
グリンダは、どんな状況でもエルファバを“理解しようとし続けた”
それが親友のままでいられた理由ではないかと思うようになりました。
グリンダは様々な理由・事情で権力側に立ちながらも、
エルファバを悪人と考えることは一度もありませんでした。
またエルファバも権力側の立場にたったグリンダを恨むことはありませんでした。
最終的に立場の違いを超えて、
「あなたをわかりたい」という想いだけは失わなかった、
その姿勢こそが問いの答えだったのではないかと思ったのです。
私たちの現実の世界でも、誤解されることや、
意図せず“悪者”にされてしまうことがあると思います。
そんなとき、彼女たちの物語から学べることは
すべてをわかってくれなかったとしても
「分かろうとしてくれる」存在を感じるだけで、
人は結構頑張れるし、踏ん張れるということです。
また、もちろん目に見える言葉も行動も大切ですが、
表面的な言動に振り回されず、
「どれだけ相手を理解しがたくとも、理解しようとし続ける姿勢」こそが、
真の人間関係を築く一番の近道なのだと思います。
言うは易し、行うは難しですが、
だからこそ取り組む価値のあるものなのでしょうね。
人事コンサルタント
金森秀晃
