
病院経営は病院大淘汰時代、戦国時代などとも言われておりますが、
その最中でも、安定的に黒字を叩き出している医療機関があります。
様々な経営努力をなさっている成果だと思うのですが、
色々聞いてみると、それらの医療機関にはある共通の生存戦略がありました。
それはなにか?
もはや釈迦に説法ではありますが…
地域で一つの病院
という考え方で経営をされているということです。
もちろん独立採算ではありますが、その中で地域で一つの病院のように
必要な機能を尖らせて、不必要な機能を削ぎ落として地域の安心のために協力し合う。
このご時世を考えると当たり前のような話ではあるのですが、
これが「徹底」できているということなのだと思います。
そこで思ったのが、まさにミツバチの世界だなぁということです。
ミツバチの集団生活は、高度に組織化されたものとしても有名ですよね。
なんとなく知っている方もいると思いますが改めて簡単にご紹介させていただくと
蜂には大きくわけて3つの役割があると言われています。
まず女王蜂(Queen Bee)。役割はひとえに産卵です。
巣に1匹しか存在せず、一日に最大で1,000~2,000個の卵を産むこともあって
働き蜂が与えるローヤルゼリーを食べて、長生き(3~5年)します。
働き蜂(Worker Bee)はメスの蜂で、
役割としては巣の維持・育児・採蜜・防衛など全般を担当し、生殖能力はありません。
驚くべきことに年齢(日数)によって役割が分担されているそうです。
最後に 雄蜂(Drone)。役割は女王蜂との交尾です。
男としては寂しい限りですが(笑)、彼らは交尾のためだけに生まれ、交尾後はすぐに死にます。
しかもリソース節約のためにも冬になる前には追い出されることも多いんだとか。
そして当然のことながら役割を果たさない異常値のような蜂は、排除されていってしまうのでしょう。
こうしてみると、巣にいる蜂の構成員が「全員で一つの生き物」のような役割を果たすわけですね。
全員で生活を営み、全員で種を存続させるために自分の使命を果たすという生き方をしています。
おそらくこういう生き方が種を存続させるために、ある意味やむにやまれず
最も効果的というところで最適化されていったのでしょう。
まさに機能分化の最高峰であり機能美…!
最強なのは「進化」できる(変われる)フレキシビリティのある組織と言われていますが、
まさに生存競争の中で、形を変えて、役割を変えて、
必要性や使命(ここでは地域の医療サービスを絶やさないこと)を全うできる組織が
現実世界でも如実に「勝ち」始めている、と感じる今日この頃です。
言うは易し行うは難しかと思われるかと思いますが、
フレキシビリティのある組織、ファーストペンギン・セカンドペンギンがどんどん出てくる組織づくりには
明確なフォーマットがあります。
どんな組織でも必ず生まれ変わることができるので、ご興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。
人事コンサルタント
金森秀晃