「ビジョンを描けと言われるけども、
計画を立てるのとはまた違うんでしょうか?」
先日、マネジメント研修の中でこのようなご質問をいただきました。
たしかに先のことを考えるという意味では同じように思えるかもしれませんが、両者は明確に性質が異なります。
一言でいうなれば…
ビジョンは目的地
計画はそこに行き着くための手段
です。
そうなると、本来はビジョンがないと計画も存在し得ないということになるのですが、
現実にはビジョンがなくても短期的な目標のためにとりあえず計画を立てるということもあるでしょう。
ですが、このような計画は長期的な視点や一貫性に欠け、
やればやるほど行き詰まったり、
社員を疲弊させてしまう可能性があります。
例えば、組織が売上を増やすための詳細な計画を立てても、
その売上を使ってどういった未来を作りたいのかがビジョンとして定義されていなければ、
社員はその行動に意義や意味が感じられませんよね。
そういう意味で、どういう組織を創りたいのか、
どういう未来を創りたいのかというビジョンを描くことは
とりわけトップマネジメント層には必要不可欠なテーマとなります。
ただ、いきなり、ビジョンを描け!と言われると
ちょっと難しく感じるかもしれませんので
そういう方のために一つ、簡単にできるビジョンを描く
トレーニングをご紹介したいと思います。
それは…
毎日、未来の自分に手紙を書くこと
最初は明日の自分、慣れてきたら1週間後の自分、
もっと慣れてきたら1年後の自分という風に未来を描いてみるのです。
その際のポイントは実現可能性はさておき
「こうであったらいいな」と思いながら未来を想像することです。
例えば、3年後の自分に
「健康で頑張ってる?子どもはもう小学生だね。
妻との家事分担は五分五分にできてる?
今頃、AIとロボットを駆使して人手不足を解消した世界最先端の病院の担当者として
取材を受けている頃だと思います。」
などのように3年後は自分はどうしているか、
周りの大切な人はどうなっているか、
市場はどうなっているか、事業はどうなっているか、
組織はどうなっているかを妄想していくのです。
いきなり未来を想像してというと、
最初はとっかかりがつかめないこともあると思いますので、
少しずつ、時間軸と空間軸を広げてビジョン力を高めていきましょう!
参考になれば幸いです。
人事コンサルタント
金森秀晃