「金森先生、最近老害みたいな新卒が多いんですけど、どうしたらいいんですかね?」
ついこの前、とある病院の看護部長より、
こんな衝撃的なご相談をいただきました。
「え?どういうこと!!?」と思いつつ、話を聞いてみると
「新時代の価値観」なるものを縦にして、
・自分がすべて正しいと思い込み、
・頑固に人の意見を聞き入れない。
・自分が変わろうとはせず、
・新しいことには取り組まない。
・学生時代の成功体験にすがり、
・プライドを守ろうとする。
・そうやって自分の未来の可能性を潰していく。
そういう若者が増えてきているというお話でした。
確かに、それはいわゆる「老害」の要素に当てはまりそうですよね。
たとえば、
将来どこの組織、病院にいっても恥ずかしくない医療人にということで、
色々な科を経験させたり、研修の機会などを与えていたそうなのですが、
それだとプライベートの時間でも仕事関連の勉強をせざるを得ないし、
仕事のことを考えてしまうくらい追い詰められているので、
こんなの「イマドキ」ではないし、研修期間のローテーションをやめて欲しい、
現場で怒られないためにも勉強せざるを得ない分は残業代ください
というお話だったそうです。
一方で、20年選手のベテランの看護師に
その方が経験したこともないであろう新規のプロジェクトを任せたいと相談したところ、
「ありがとうございます。
初めてなので勉強させていただきながらになると思いますが楽しそうですね!」
と二つ返事で引き受けてくれたとのこと。
年齢でくくるのはよいことではありませんが、
一昔前だったら、これは逆だったなぁと思ったのが、
若いのに老害的発想の方が増えていると思ったきっかけだったそうです。
おっしゃるとおり年齢でステレオタイプに区分することはできませんが、
世論的にはそういう発想を生みやすい状況があるとは私も思っています。
(若者が悪いというよりは、そういう論調を生み出す大人が悪いと思います)
それも踏まえて、最初の看護部長からの質問に答えるのであれば…
変化の激しい昨今の時代背景において、その発想だと
数年後にはあっという間に「時代遅れの老害」と認定される側になる
というリスクを認識してもらう
ということが最も効果的な方法だと思います。
価値観も環境もどんどん変わっていきますし、
パラダイムシフトが起こっていくわけですから、
今の価値観を守ろうとする姿勢そのものが大変リスキーということになります。
「それらを伝えきれていない私たちに問題があると考えて、
彼らの可能性を最大化させるように、お互い頑張っていきたいですね」
という話を、しみじみとしてまいりました。
ここまででなくても近しいお悩みを抱えている指導者層の方も多いのではないかと思うので、
日々頑張って若手と向き合っていらっしゃる方々の参考になれば幸いです。
人事コンサルタント
金森秀晃