「他責にするなと言われても、
どう考えても私の責任であると思えないことがあるのですが、
それでも私の責任と思い込めということなんでしょうか。」
研修で自責と他責についてのお話をしているとき、
このような質問をいただきました。
例えばどういうことかというと、
明らかにケアレスミスが多い部下に対して
主任である私の責任だという話になったときに、
全くピンとこなかったとのことでした。
看護師で命に関わることですからダブルチェックなどの重要性、
チェックの仕方なども指導していた矢先ということで、
自分のせいというのが理不尽すぎて、その部下のことが嫌いになったり
できるだけ関わらないようにしたいと思うようになってしまったとのこと。
自分が指導した内容が間違えていて、
それでおきたミスなら自分の責任と思えるけれど、
指導内容も無視してミスされたために
自分の責任と思える余地がないと思ってしまったとお話されていました。
このケース、みなさんはどのように思われますか?
私はこんな風に回答しました。
ミスをしたのはその子の責任。
ただし、その子の特性を把握していながら
対策をしきれなかったのは管理者側の責任。
質問いただいた方は少し腑に落ちた顔はされていましたが、
もう一歩踏み込んでみることにしました。
自分の責任だと思えない状態のときには
ぜひ以下のステップで考えてみてください。
1)100%他責にして逃げる
これは実際に行動に移してはいけないのですが(笑)
一度他責にして誰のせいだと思っているのか、
誰が何をすればよかったと思っているのかを書き出すという作業です。
別に誰に見られるわけでもないので、
思い切って他責全開で書きなぐりましょう。
2)自分がどのような介入をしたかを書き出す
指導内容を一旦思い出せる範囲で書き起こしてみます。
3)仮に自分がどのような介入をしたら、
対象者が適切な行動を起こせたかを書き出してみる
ここで「あ、こういう風に言えばできたかもな…」
などと気づけることがあれば、
それが「自責」で考えることの最大のメリットです。
他責だったら思考停止してしまって
自分には何も得るものがないことになってしまいますが、
自責で考えるとどんどん人の活用の仕方がうまくなってきて、
ゆくゆくは最高のマネジャーになっていくというわけです。
ご質問を頂いた方は研修後、
1)をやったおかげでモヤモヤが晴れて
冷静に自分がやれることを見つけることができましたと
おっしゃっていました。
「これ私のせいなのかなぁ?」と思った方は
ぜひ一度試してみてくださいね!
人事コンサルタント
金森秀晃