「世代が違うと話が合わないなんて言うのは間違い。話が合わないんじゃなくて、話を引き出せない自分がバカなのだ」
ビートたけし(北野武)さんの言葉です。
以前、新人の営業職を対象としたコミュニケーション研修を複数回させていただいたのですが、担当講師からこのような報告を受けたことがありました。
その企業の新人営業マンがお客様に対して抱いていたあるあるとしては
・世代が違い過ぎて話がなかなか膨らまない
・口数の少ないお客様だと、何を質問していいかだんだんわからなくなってくる
・お客様のタイプによって商談の質に差がある
というものだったそうです。
序盤の研修では、上記の要因を尋ねるとお客さんとの相性の良し悪しが影響していると考えている受講者が大半だったのだとか。
ですが研修の回数を経ていくと受講者の方々から
「これまで自分がいくら勉強したり、質問テクニックを試したりしても全然変わらなかったのでお客さんとの相性が悪いんじゃないかとばかり思っていました。でも研修で学んだことを現場でやってみると、そもそも自分が”相手を知ろうとする工夫”がないだけなんだということが少しずつ分かってきたんです。」
「単に自分がやりやすいアプローチで”こっちは知ろうとしてるのに”というスタンスでいろいろ質問しても、お客様からしたら心は動かないですよね。」
などという話があったのだそうです。
冒頭のたけしさんの言葉には続きがあります。
「年寄りとお茶を飲んでいて、『おじいちゃん、この茶碗は何?』って聞けば、何かしら答えが返ってくる。
きっかけさえ作ることができれば、思いもよらない話が聞けることもある。相手はいい気持ちになれるし、こっちは知らなかったことを知る。相手が小学生だって同じだ」
”思ったようにコミュニケーションが取れない”という悩みは、営業の場面以外でもよくあることだと思います。
そういう場合、無意識のうちに「どうして話を合わせてくれないんだろう」と
原因は相手にあると考えてしまいがち(-_-;)
冒頭のたけしさんの言葉を頭の片隅に置いておくだけでも活路が見い出せるような気がしてきますよね。
日々精進!
人事コンサルタント
金森 秀晃