ドラゴンボールの孫悟空の声を担当する
いわずとしれた声優界の大御所、野沢雅子さんが
かつてテレビでこんなお話をしていたことがあります。
余命わずかと言われるお子さんのお父様から
「息子がドラゴンボールが大好きだから、色紙にサインを頂けませんか?」
と言われ、野沢さんが
「オッス!オラ悟空!◎◎、ぜってぇに来いよ!
オラが劇場で待ってっからな!約束だぞ!」
と声を吹き込んでお送りしたところ、
お医者様からは当初2月までしか持たないと言われていたものの
なんと8月上映の映画を映画館で見ることができたという奇跡のお話です。
この話を聞いた時、人間にとって希望というものは命そのものであり、
命を最も強く激しく躍動させる最高の手段なのだと感じました。
もちろん医学のサポートなくしてはなし得なかった延命だと思いますが、
彼の「希望」や「意地」、大好きな人との「約束」が
彼の生命力をかきたてたことは間違いないと思います。
真っ暗闇の中で希望が見いだせなくなった時、
八方塞がり(のように感じて)もう一生辛いままだと感じた時、
ショックなことから立ち直れず生きていても仕方ないと感じる時、
生きる目的や意味を見失ってしまったときに
私たちは人生そのものも終わりにしたいと思ったりするのかもしれません。
ですが、この奇跡を起こした少年のエピソードは
「人生にもともと用意された意味なんてない。
生きる意味も、誰かと果たしたい約束も自分で作るもの。」
ということを教えてくれているような気がします。
もちろん真っ暗闇の真っ只中にいる人が
生きる意味や希望を自らの力で見出すというのは大変なことだと思います。
だからこそ、そのきっかけを作るお手伝いをさせていただいたり、
人生に挑む姿勢を私達が発信していくことに意味があると感じました。
私たちの仕事は「解釈の力で人の心に火をともす」仕事ですが
(同じ状況・環境であっても解釈の力で希望を見出す技術を提供する)
改めて自分たちの仕事の意義を実感させられたような気がします。
確証のない未来を信じる力と技術を。
私自身誰よりも、人生に挑み続ける人間でありたいと思いました。
人事コンサルタント
金森秀晃