ジャニーズ事務所と言えば、滝沢氏の退所や所属アイドルの脱退・退所で
少しざわざわとしているところかと思いますが
先日、創業者であるジャニーさんに関するこんな記事をみました。
今やトップスターとなったアイドルグループのメンバーの一人が
まだジュニアだった頃、
華がある他のスターメンバーに気後れして自信をなくし
「なぜ自分はアイドルをやれているのだろうか」と
まだ存命だった頃のジャニーさんに相談したときのことです。
ジャニーさんから言われた言葉は…
「アイドルは人を幸せにする職業だから」
この教えを受けて、彼の意識は変わり、
「自分がどうこうじゃなくて、まずは人の幸せを考えなきゃ。
そのために頑張っていくものなんだな」
と思うようになったそうで、
それ以降何かあったらジャニーさんに相談するようになったといいます。
たった一言でその方の意識を180度変えて、
壁にぶつかったときはジャニーさんに相談するようになる
という行動変容までもたらしてしまいました。
(いつも思いますが、本当にジャニーさんの
未来を予見する力と人材育成力はハンパない…!!!)
いわずもがな…ではありますが
この「アイドルは人を幸せにする職業だから」
という一言のすごさは以下の2つにあると思います。
1)この仕事の本質(目的)を伝えて目線を変える
顔がいい、華がある、歌がうまい、ダンスがうまい、面白いなどの要素も
もちろんアイドルには必要なのかもしれませんが、
この職業の本分・本質は「人を幸せにする」ことであり
他はすべて手段であるということに気づかされます。
また、やるべきことは他者比較ではなく、
「人を幸せにする」ためにどうすべきかを考えることだと
目的に目を向けることができるようになりますね。
2)現時点の「ありのまま」を認めて自信を与える
他者比較をして自信を失ってしまっていたところに、
あなたは既に「人を幸せにする力」がある人間である
ということを示して自信を与え、頑張る力を取り戻させました。
ポイントは「あなたは(今はそうじゃないけれど)
人を幸せにする人になれる」のではなく
既にそうである、そういう人間だと示している点です。
まだ一応デビュー前ですから、相談した当時は
今よりもきっと人気はなかったと思うのですが、
ジャニーさんには、その方がアイドルとして
たくさんの人を幸せにしている未来が見えて、
その未来を信じ切っているからこそ、
現時点でもそうであるというメッセージを届けることができたのでしょう。
ジャニーさんという才能発掘・人材育成の天才の力を「仕組み」にできていたら、
ジャニーズ事務所の未来や日本のエンターテインメントも
少し様変わりしていたかもしれませんね。
そしてこれは分野は違えどトップのカリスマ性で成り立っている
すべての組織に通ずる課題でもあると思います。
だからこそ私は「天才」ではない「凡人」の代表として、
こうした天才たちがやっていることを読み解き、
仕組みに変えていくお手伝いをしていきたいと
改めて思わせていただきました。
人事コンサルタント
金森秀晃