後輩を教える役割を担い始めると、”相手との感覚や価値観のギャップ”に驚愕することしかないですよね。
これは、育成経験のある方でしたらほぼ100%痛感することだと言っても過言ではないと思います。
とある法人様のリーダー育成研修の受講者Aさんも
ギャップに驚愕している人のひとりでした。
Aさんは、中途入職のスタッフ教育を任され始めたばかり。
・とにかく漏れがないように
・本人が実際やるときに困らないように
ということで、事細かに新人スタッフに教えていたそうです。
ある日のこと、Aさんは上司に呼び出され思いもよらないことを言われたそうです。
「新しく入ったスタッフから、Aさんから言われる事が細かすぎる、覚えることが多すぎてついていけるか心配です。という相談が私のところに来てるんだけど、なんとかならない?」というものでした。
Aさんとしては良かれと思ってやっていたということもあり
”わかってもらおうと割いた、あの時間が無駄だったというのか・・・”
と一瞬徒労感に襲われましたよ、と苦笑いしながら研修中に皆に話してくれました。
その時にAさんに共有したポイントは下記の3つです。
ざっくりというと”いかに捨てるか?”ということになります。
・ポイント1:話したあとに相手に取らせる行動目標を決める
教える側は行動目標というのを決めておくことで、教わる側の現状把握を目標と対比させて行うことができます。
・ポイント2:伝えないことを決める
ここが最も大事なポイントです!
ポイント1でギャップの把握をすると、
”今後のために知っておいたほうがいいけど今じゃなくてもいい情報”
というのが浮き彫りになってくるはずです。
この情報を敢えて話さないことで相手に
”この部分は特に重要そうだな”
”これは覚えておかないと自分が損をするな”
という押さえどころを際立たせる事ができます。
・ポイント3:忘れることを前提にして伝える
教わる側からすると言われたことは全て覚えなくてはと
意気込んでしまうものです。
忘れてもいいと伝えておくことで、ポイント2で抜粋して伝えた
ことにより集中させやすくなります。
Aさんは「情報を与えた方が行動しやすいという自分の思い込みに気づきました。
むしろ、話さないことを決めた方が相手からしてみれば、必要なことに集中できるからその後の行動もとりやすいですよね」
と笑って話してくれました。
話さないことを決めるというのは
相手を前進できる情報に集中させるということにもなるのかもしれませんね。
ぜひ活用なさってみてください!
人事コンサルタント
金森 秀晃