「明らかに能力不足で、社内でとらなければならない資格にも落ちていて、
プライベートも謎が多い部下に対して休日の過ごし方を聞いてみたら
怪訝な顔で”そういうのってハラスメントじゃないんですか”と言われました。
こういう場合はやはり相手が不快に思ったらハラスメントになるのでしょうか?
僕としては、100%その子の将来を案じての質問だったのですが…」
先日、ハラスメント研修の中でこのような質問を頂きました。
まず答えとしては、
それだけではハラスメントにあたりませんのでご安心くださいということです。
相手が露骨に嫌がっているのに、無理矢理聞き続けるというのは
確かにハラスメントになる可能性もありますが、
休日の過ごし方を聞いただけではハラスメントにはなりません。
ただ、こういう質問があがってくるのを見るだけでも、
プライベートな質問に慎重にならざるを得ない、と感じる方も多いと思います。
そこで今日は、どうしたらハラスメントにならずに
プライベートな質問をできるかということについてお話してみようと思います。
※「結婚しないのか」や「子どもは作らないのか」など
よほど関係性ができていなければこちらから触れないほうがよい質問はしないのが前提ですよ!
ポイントは2つです。
①質問の意図を明確に示す
もちろん細かく意図を伝えなくても
気軽に話せる仲になるのが一番ですが、
意図がわからない質問は誰しも警戒するものですからね。
②警戒心を与えないような質問をする
①の方が重要ですが、相手のことを責めていると捉えられるような
質問になっていないかもあわせて気を付けたいところです。
冒頭のご相談を例にとって
悪いパターンと良いパターンの例を見てみましょう。
△悪いパターン
【事実】(部下が)成績が振るわない&資格取得にも失敗した
↓
【刺激】(何も説明がなく)「休日は何してるの?」
↓
【反応】この上司は私に休日も休まず勉強しろって言ってくるに違いない!
・自分の勉強不足を責めるために(休みの日にも勉強をさせるために)
休みの日ことを探られているんだ
・遊んでばかりいないで勉強しろと言われる気がする
・大事なプライベートを邪魔してこようとするな!
←反応の部分は少し極端かもしれませんが
色々聞いているとこういう状態になっている方も多い気がします。
◎良いパターン
【事実】(部下が)成績が振るわない&資格取得にも失敗した
↓
【刺激】このままだと任せられる仕事が限られてしまうし
そうなると給料も頭打ちになってしまうから助けになりたい。
(←①の意図の説明)
休日はしっかり休めてる?(←②の警戒されない質問)
↓
【反応】休めてはいるのですがどうにもやる気が起きなくて…
←うまくいけば本音ベースの悩みが聞ける
慣れないとそんなところにまで気を遣わなければいけないのか!
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
これも技術で、ある程度法則がありますので、
それをもとに練習していけば最終的にはあまり何も考えずに、
効果的な質問が出てくるようになります。
ハラスメント対策などでお悩みの方がいらっしゃいましたら
個人向けのコーチングはもちろん
企業向けに研修なども承っておりますので
是非お気軽にお問合せください。
人事コンサルタント
金森秀晃