「セレンディピティ(Serendipity)」という言葉をみなさんは聞いたことがありますか?
点と点を繋ぎ「(偶然の)幸運を引き寄せる力」を指す言葉です。
元々はイギリスの小説家・政治家であるホレース・ウォルポールが生みだした造語で
『セレンディップの3人の王子』というおとぎ話が語源になっています。
『セレンディップの3人の王子』とは、王子たちが旅先で優れた能力や才気によって、有益なものを偶然発見して手に入れるという物語ですね。
行き詰っているときに何らかのきっかけがありふと発明品が完成したり
発想の転換をしたら別の領域でヒット商品になったり
そういう偶然の出来事からある日突然
点と点が結びつき幸運が舞い込むというパワーのことですが
このセレンディピティ、
「自ら創り出すことができる」というのが
私は非常に面白いと思っています。
そのために必要な要素はいくつかあると言われていますが
たった一つあげるとしたら確実に「強烈な目的意識」です。
想像してみてください。
例えば「必ず国際的に有名なプロの歌手になって
グラミー賞をとる!」という夢をもった人がいたとしましょう。
寝ても覚めてもそのことを考えている状態です。
きっとその方は街中で流れる音楽に耳を傾けると思いますし
どういう歌手が好きという友達の声にも耳を傾けるでしょう。
声の出し方を研究し、呼吸の仕方を研究し、
肺活量を高めるトレーニングに余念がないかもしれません。
尊敬する歌手のインタビュー記事を読んでは
その人の解釈、行動、服装をリスペクトして真似るかもしれません。
あるいは一見関係ない歴史上の人物の話を自身の音楽活動に活かしたり
何かを経験するたびに感情の動きを書き止め
思い浮かんだメロディーを記録し、
聞き返しては自分の感性と対話を続けるでしょう。
すべての情報が目的意識という引力に引き寄せられて
意味付けられ、何でもない日常が芸術作品へと
転化していく可能性が高まるわけですね。
叶えたい夢や目標が何であれ、このセレンディピティを駆使すれば
何でもない日常が価値ある情報になっていくということです。
・(スポーツ等で)勝ちたい、うまくなりたい
・この商品開発を成功させたい
・営業成績No1になりたい
・キレイになりたい
・~~さんに会いたい
すべては強烈に願うところから始まり、
その結果獲得した情報でまた新しい夢を抱いたり
思いもよらない発見や幸運な人生の転機が訪れる…
しかも!!
自分が損をするところが全くありませんから、
明らかにやったほうがお得ですよね。
世の中にこんなノーリスクハイリターンなものはありません。
私もこんな記事を書いていて改めてこのセレンディピティを活用したいと思ってきました。
皆さんも年度初めのこの時期に、
何か一つでも「強烈に抱く」ことから始めてみませんか(*^^*)?
人事コンサルタント
金森秀晃