「部下が少しでも楽になるようにと思い、悩みを解決できるようにと相談に乗っていたのに話してもらえなくなったんですよね」
管理者向けの研修で、部下への関わり方について話している際に出てくる
上司側のお悩みあるあるの一例です。
部下がなにか悩んでいる様子を見せたら、
あなただったらどうしますか?
最初こそ様子を観察するかもしれませんが
悩みを解決できるようにとた手を差し伸べる方が大半のように思います。
自分の仕事の合間をぬって、部下のフォローにも心を配るというのは
本当に頭が上がりません。
が、しかし・・・!
良かれと思って相談にのっていても
ポイントを抑えていないと冒頭のお悩みのように
逆効果になるということがあります(´Д`)
本日は問題解決をするときの話の聴き方のポイントについて共有したいと思います!
ポイントは解決策をすぐに与えないことです。
”え?!解決するために話してるんだから、解決策を与えなきゃ意味ないんじゃ・・・??”
と思われるかもしれません。
確かにそれも必要な場合はあるのですが、
さらに前段階を作ることで解決できることが多々あるように思います。
部下が話をしているときに「解決策を示してあげなければ」と思いながら対応していると、
「話を聴く」という行為は「部下の問題を解決する手段」になってしまいます。
「どのような解決策が最適か」を考えながら話を聴きはじめると、
解決に必要な情報しか耳に入らなくなったり、
解決には役に立たないと思った事柄については、
部下に「そこじゃなくて、こっちはどう?」
と違う話をするように強引に誘導をしてしまいがちです。
自分の考えに合う話だけを聴き出し、それ以外のことは聞流す(ように相手に見えてしまう)。
そして、自分の先入観や考えにもとづく助言が思い浮かぶと、相手が話の途中でも口をはさみたくなる・・・。
部下の想像をすると、自分のことを思って言ってくれてると分かっていたとしても相談するのがしんどくなっていくかもしれません。
では、すぐに解決策を与えるのではなく
どうすればよいのでしょうか?
部下がどのように感じているのか、部下の言葉や態度から受け取った自分の認識が正しいかどうか、それを「確認する」ことが大切になります。
例えば、部下が「仕事を辞めたい」と相談してきたら
まずは「ああ、部下の○○さんは辞めたいんだな」という気持ちをもって聴く。そのうえで、
「君は、辞めたいと思ってしまうほど、思い悩むことがあるんだね(私はそのように受け取ったけど、それでいいかな)」
と、自分の受け取った認識を、相手に確認するという感じです。
上司側は経験を部下よりも積んでいる分、
すぐに解決策がひらめき導きたくなるものです。
ですが長い目でみると、部下の解決能力を高めることが本人や組織において、また上司の身を助けてくれることのように思います。
上司は部下が悩みを自分で解決できるように支援してあげる「シェルパ」ということですね!
ぜひ活用なさってみてください!
人事コンサルタント
金森秀晃