”離見の見にて見る所は、すなはち、見所同心の見なり”
世阿弥 『花鏡』より
「相手に自分の話を聞いてもらうにはどうしたらいいでしょうか?」
と相談をいただいた時によく頭に浮かべる言葉のひとつです。
この言葉の意味としては、
役者は演じながら、同時に観客にはなれない。
けれど観客と同じ気持ちになろうと努力することはできる。
というものになります。
この努力が実を結ぶことを「見所同心」と世阿弥は表現しました。
ただ、いずれも容易ではなく、その難しさを誰しも理解するからこそ、
世阿弥のこの言葉が時代を超えて語り継がれてきたのかもしれませんね。
仕事の場を舞台に置き換えてみると
仕事をしていたり、お客様やスタッフや上司などと話しているときの自分は
演者と言えるように思います。
なぜか話を聞いてもらえないという時に
話し方の緩急が足りなかったんだろうか、
情報不足だったんだろうか、など
とテクニカルな部分に目が向いてしまいやすいですよね。
もちろんそういった可能性にも目を向けて解消していくことも大切です。
プラスαで根本的な部分で大事になってくるのは
”相手を完全に理解しきることはできない
とわかりながら諦めることなく知ろうとすること”
なのだといつもこの言葉を思い出すたびに
ハッとさせられます(^^)
聞いてもらえないと思う時、
自分は演者だ!と挑む時の魔法の言葉として
活用なさってみてください!
人事コンサルタント
金森 秀晃