ジブリといえば…もののけ姫!!
もののけ姫といえば、「我が名はアシタカ!」!!
(すいません。これはただ、僕が好きなセリフというだけでした。笑)
と随分強引に話をもってきましたが、
スタジオジブリ、宮崎駿監督の代表作であるもののけ姫。
先日、このもののけ姫の制作時における、あるエピソードを拝見し、宮崎駿監督を宮崎駿監督たらしめる理由が垣間見えたような気がしたため、僭越ながらブログにさせていただきました。
それはアシタカの声優を務めた松田洋治さんがアフレコ時、宮崎駿監督と交わしたやりとりのお話でした。
宮崎監督の拘りは半端ないものだったらしく、何テイクやったかわからないという拘りよう。
しかしその宮崎監督の指示は、なんとも「わかりにくい」指示だったというのです(笑)
「セリフが猫背だ」「セリフの背筋が伸びてない」
このような指示を頂くそうなのですが、確かにこれは…
一般的な感性からいくと、”超わかりにくい” 指示ですよね(笑)
松田さんもおっしゃっていましたが、「もっと凛として」とか「もっとちゃんとして」という指示だったら、理解して修正できるけれど、声優さんが考えないとわからないような指示をあえて使ってくるのだそうです。
声優さんが思考する過程を踏まえるからこそ「表現が生まれる」というお考えだったのではないかということでしたが、この手間のかけ方と拘りには恐れ入りました…
さすが世界の宮崎です。
そして私はこの話を拝読した際に思いました。
恐ろしく完璧なビジョンを持ちながらも、具体的な指示を出さなかったのは、
アシタカ(の声)に「命」を吹き込むためだったのではないかと。
「言わされている」、いわゆる操り人形のアシタカの声ではなく、
「自分の声、言葉」を持ったアシタカの声を求めたのだと思ったのです。
アシタカはご存じの通り、物語の中でも自分の意思をもち、まっすぐに行動する男です。
だからこそ、ジブリイケメン選手権No1(今作りました。笑)の座をほしいままにするのでしょう。
そのアシタカの声が「指示通り」の声では、スクリーンのアシタカから、あのほとばしるような生命力が奪われていたかもしれません。
一般的に、部下に対してはわかりやすい指示が求められるとは思いますが、明確なビジョンのもと「自分で解釈し考えて動ける」ような指示を出し、相手の可能性や生命力を引き出すというのも、やはり愛があり、協働関係や相乗効果が生まれるという意味でも魅力的だなぁと改めて感じました。
(上司の指示がよくわからない…という時も、実はこんなことを考えて指示を出してくださっている方がいるかもしれませんね!)
指示だし、フィードバックの世界とは、大変奥深いものだと改めて感じますね。
相手のレベル、性質、状況によって色々な技を繰り出せる指導者、リーダーでありたいものです。
宮崎監督には、凡人の僕らには計り知れないお考えがもっともっとあると思いますが、作品に対する愛情、そしてそれを共に創る仲間への愛情の深さは確かに感じることができます。
その姿勢だけでも真似させていただき、人の可能性を引き出す指示だし、フィードバックスキルを磨いて参ります(^^)/!
人事コンサルタント
金森秀晃