定年延長を視野に入れ動き出している組織も少なくない中、
再雇用者の給与体系を含めた人事制度をどうすべきか?
について模索されている担当者の方も多いのではないでしょうか。
嘱託になってからは大幅に報酬を削減するという運用をなさってきたところでも
「同一労働同一賃金の観点から、それでいいのか?」
という疑問に思う声が沸いてきているように思います。
たしかに、(例えばですが)
全く同じ仕事をしているのに、年齢が65歳を超えたから、
という理由で給与が今までの60%~70%になる、というのは、
なんだかおかしい話のような気がしますよね。
(再雇用者のモチベーションも下がりそうです)
今までは「そういうもの」ということで一定の理解を得られる機会も多かったと思いますが
同一労働同一賃金の原則を守っていく必要性が生じた今、
組織は、再雇用者の条件面を見直す必要が出てきています。
ちなみに同一労働同一賃金の原則とは、
「雇用形態の違いに関わらず、労働内容が同じであれば同じ賃金を支払うべき」というものですから、対応としては、
A)正社員と同じ分量で、同じ仕事をしているのであれば、
正社員と同様の給与を支給する
もしくは
B)仕事内容を正社員よりは簡易なものにしたり、仕事上の権限や責任を減らす代わりに、給与も下げる
いずれかを選択する必要があるということになります。
そのために、何が必要か?
それが、いわゆる、「職務要件の定義」です。
そもそもこれがなければ、A)B)いずれも対応することができませんよね。
(だからこそ、ジョブ型の人事制度が求められることになります)
・再雇用者にも人事評価は必要でしょうか?
・「もう年なので、目標と言われましても…」と言われてしまうことが
多いんですが、再雇用の方にも評価制度行うべきなんでしょうか?
などのご相談を頂くこともありますが、
同一労働同一賃金を守っていく以上は、評価を行う必要があります。
ただ、決まりだからと言われても、当然モチベーションはあがりませんから、
今までの延長線上ではなく、改めて役割を示すことを弊社ではお勧めしています。
管理者経験を活かして、現任管理者のサポートをする役割、、
管理者の悩みを聞く役割、環境のありがたみを伝える役割、
色々な役割を与えることもできますよね。
経験を積んだその方にしかできないことなどもあると思います。
(そもそも、役割がないのに、再雇用契約はしないですよね)
「元気な高齢者」が増えている今、
これからは、スキルもモチベーションもエンゲージメントも高い、
嘱託社員をどれだけ囲って効果的に活用していけるかが鍵を握ります。
嘱託社員の人事制度、再雇用者の活用、環境づくりについて
お困りの方は是非一度、ご相談ください。
人事コンサルタント
金森秀晃