人間は年齢を重ねた時老いるのではない。
理想をなくした時老いるのである。
歳月は人間の皮膚に皺を刻むが、情熱の消失は心に皺を作る。
サミュエル・ウルマンの言葉です。
先日スタッフと談笑していたときのことです。
スタッフのお祖母さんが、今度95歳の誕生日が近いということで、
電話をかけた時のことです。
数ヶ月前までは、最近体の衰えを感じるという話に終始し、珍しくふさぎこんでいるような感じだったそうです。
ですが先日連絡をしてみると、明らかに声のトーンが違っていました。
スタッフがよくよく話を聞いてみると、
”歳をとったなりの自分の役割”を見つけたということでした。
・これから歳をとっていく息子に（スタッフの両親）に”老い様”を見せる
・ひ孫に語彙力をつけるために遊び相手になる
という役割でした。
お祖母さんは「誕生日が近づくたびに
去年よりも歩ける歩数が減っていたり、
ペットボトルの蓋が開けにくくなっていたりと
年々できなくなっていくことが目について、
老いるというのは何もいいことがないと思っていた。
だけど、今だからこそできることはなんだろうかと考えてみたら、
ようやく役割を見つけられた。」と話していたそうです。
これを聞いたスタッフは、役割が見つかるということは
こんなにも人の人生に意味を作ってくれるのだと驚いたそうです。
そして、役割とは一見すると分が悪い時にこそ強化されるものなんですね、と話してくれました。
この現象をどのように解釈をして使いこなすか、
それは自ら役割を見出すことで、マイナスにしか見えなかったことが
輝きを放つようになるのだと思います。
人事コンサルタント
金森秀晃
