研修やコンサルに携わっていると、
トップとしてスタッフの前ではビジョンをしっかりと見せたいけど、
中間層からは様々なタイプの「難しい」という声がよく上がってくるというお話をよく伺います。
変革のマネジメントの権威である、ハーバード大学ビジネススクール名誉教授のジョン・コッターも
「したたかに戦略的に組織を変えていく工夫をしないと、そう組織なんて簡単に変わらない。激しい抵抗にあう」と述べています。
先日、とある法人様を担当しているコンサルタントから、様々な”抵抗”の捉え方ついて相談されたので、 『カモメになったペンギン』という本を薦めました。
コッターの組織変革論を寓話を使ってわかりやすく示した本です。
ざっくりとあらすじをまとめますと・・・
南極にペンギンが集落を作って住んでいたある日、フレッドという1羽のペンギンが氷山の氷が溶け始めているという危機を察知し仲間に伝えます。
しかしほかのペンギンたちは「すぐに溶けて無くなるわけじゃないから」と取り合ってくれません。
そこでフレッドは様々たタイプのペンギンを集めて「変革推進チーム」を作ります。
このチームで物事を動かし、最終的に大移動をし、さらには気を緩めず常にリサーチをするということを新しい文化として根付かせるという話です。
読み終えたスタッフは気が軽くなったようで
抵抗を非常に重く捉え過ぎていたことに気づいたそうです。
「どのような組織を変えるとしても、
・抵抗は必ずあるものだということ
・的確なステップを踏めば必ず解決に向かうこと
・ひとりで全てを担うのではなく、チームで戦うことで人を活かす
この3つを抑えておくことで、打開策を作り続ける力を自分で回復させることができそうです。
経営層の理念がわかりにくいからでもなく、スタッフが怠慢であるからでもなく、ステップを踏んでいないからできないということがわかればちょっと希望が持てそうですよね。 」
と話してくれました。
組織作りは作ってからどのように運用・定着させていくか
のプロセスが俯瞰して読める1冊だと思います。
ご興味がありましたら手に取ってみてください!
人事コンサルタント
金森 秀晃