「安心だ、問題はないと考えること自体が問題である。」
日清食品創業者の安藤百福氏の言葉です。
上司として、部下に主体性をもってどんどん提案して仕事を進めて行って欲しい、そう思わない方はいらっしゃらないと思います。
私も多分に漏れず、そのひとりです。
20代で会社を創業したばかりの頃、当時の部下が
私から見て課題はあり、本人ならやれるはずなのに、なぜかやらない。
心なしか、入社当時よりも覇気がないような気がする・・・
ある日「○○さんならもっとやれることがごまんとあるはずなのに、なぜ追求しないの?」
と熱く問いただしたことがありました。
するとその部下は、熱くなっている私とは対照的に
冷静にこう言ったのです。
「自分には課題がないと思っているんです」
え・・・??!!Σ(゚д゚lll)
驚きのあまり、返す言葉を失いました。
私から見たら課題はあったから、です。
振り返ってみると
問題解決能力と課題発見能力を私が混同してしまっていたからかもしれません。
問題解決能力は、視点は過去になります。
例えば、営業マンだったらノルマを達成できてなかったら達成するために過去の課題を洗い出し修正を重ねていくというものです。
すでに明確になっている問題を解決する、ということですね。
一方で課題発見能力は、視点は未来になります。
営業マンだったら、ノルマを達成できてるけど、さらに上を目指すにはどうするか課題を発見してブラッシュアップしていくというものです。
まだ起こっていないけど求められることを想定し、課題を発見していくということですね。
先述した、私の部下の話に置き換えてみます。
部下は、施術はマスターしている、月間の目標売上もクリアできている。
お客様からの評判も上々ということで、一見すると問題がないように見えました。
本人なりに自分の問題解決能力を駆使してきた成果だと思います。
ある程度出来てきたところで、未来の理想像を共有しそこに向かうための課題共有を、
「課題は自分で見つけるもんだろ」とたかをくくって疎かにしてしまっていたのでした。
このままでは本人にも何のためにもならない・・・!
と猛スピードで部下と面談をし、再び目に光を灯すことができました。
部下は目に見えたものがすべてだということ。
上司は同じ事象であっても部下とは異なった階層から見ることができる。
だからこそ、部下と目指す未来の共有を常態的に行い課題を認識させ続けることが必要なのだと思います。
(ダメだし、ではなくて未来のためにこれをやってみよう!という感じで)
なんか最近、元気がない気がする・・・
そんなスタッフの方がいましたら、ぜひ私のこのしくじり話を思い出していただけたら幸いです(^^)
人事コンサルタント
金森 秀晃