先日、数年来個別コーチングを受講されている管理職の方から、
「ここ数年顕著に、部下から“あの子はなかなか状況を”察して“くれなくて困っている、というような相談を受けることが増えたんですよね。」というお話を伺いました。
実際に研修プログラムを組むときにも、この手の“察しない”社員への対応を相談いただくことが増えてきたように思います。
上司の立場としては、「そのくらい意図を汲んでくれよ・・・」と言いたくなるかもしれませんが、察することが苦手な要因としては経験が浅いが故、予想がつけられずそのように見えてしまうこともあるかもしれません。
今日は部下の経験値向上だけに頼らず、自分(上司側)のアプローチで部下が“察して”くれるように育成できるコツについてお伝えしたいと思います。
それは、指摘をするときに自分(上司側)の事情で終わらせず指示まで伝えきる事です。
“察する”ことが苦手なうちは、この事情を言っている上司の意図が理解できておらず、残念ながら「ふーん、そうなんだ」というくらいの感覚でしか聞いていないのです(+_+)
(良い・悪いではなく、分からないからです)
例えば部下に反省と行動変容を促そうと指摘をするときに、下記のような声掛けをしてはいないでしょうか?
▶事情:「私も今立て込んでるからな・・・」
→察して欲しい指示:だから遅くとも今日中には仕上げて欲しい
▶事情:「この案件は挙げてもらったのをミスがないか確認するのに、かなり時間がかかってるんだよね」
→察して欲しい指示:仕上げたら、一度自分で確認をしてから持ってきて欲しい
本来であれば、→の右側の行動変容を促したいのに、事情のみを話すことで、次に部下自身が取るべき行動を自ら考え行動せよってことだなと“察して”もらおうとする状態になってしまっています。
優秀な方ほど“察する”能力が高いため、無意識に相手も同じように考えて行動するだろうと思い込んでしまいがちな点でもあります。
こんなに言ってるのに、部下の行動が変わらない気がする。
そうお感じになった時に、ぜひ一度振り返ってみるといいかもしれません(^O^)
人事コンサルタント
金森 秀晃