「人生を楽しむには違和感を持ち続けること、違和感というのは原動力だからね」
先日、とある医療法人の院長先生が仰っていた言葉です。
違和感を持ち続けられるかどうか、というのは患者さんの治療(維持含める)への主体性や予後にも大きく関わってくるのだそうです。
院長先生いわく、
▶違和感を持ち続けていると・・・
健康な自分、というのがスタンダード(当たり前)であるため、毎日薬を飲む、毎月時間を割いて通院する、いつも体調が悪い、といったことは「いつもの自分をと違う!」と自発的に警鐘を鳴らすことができる
⇒どうにかしようと日常生活で創意工夫をする
⇒結果的に治療やコントロールが上手くいく
▶違和感を持ち続けられないと・・・
毎日薬を飲む、通院する、いつも体調が悪い、という状態がスタンダード(当たり前)になっている
⇒この先もこのままの状態が続き、自分にはどうしようもないと思い込み行動変変容がない(あってもごくわずか)
⇒結果的に治療やコントロールが上手くいかない
というように、違和感を持ち続けられるかどうかで、患者さんの予後が分かれてしまう傾向があるのだそうです( ゚Д゚)!!!
(もちろん、治療方針がしっかりあることが前提です)
若かりし頃の院長先生は、ご本人いわく「お酒を控えて」「タバコはやめてください」というように、患者さんにビシバシ指導する「怖い」と評判の先生だったそうです。
患者さんも先生がそこまで言うなら、と最初はどうにかしようと取り組んでくれていました。
ですがあるとき「先生、オレは今の状態が維持できればいいよ。がんばり過ぎもストレスになるしよくないでしょ」
といわれたのだそうです。
当時は、なぜ自分の身体を害するのにどうにかしようとしないのだろうか・・・!と理解に苦しんだそうですが、あるときふとその言葉を発した背景に気が付いたそうです。
それが「違和感を持ち続けられない」ということだったんです。
つまり、「病気になっているのがスタンダード(当たり前)になってしまう」ということ(+_+)
「確かにほどほど、というのも病状には必要な選択のひとつなんだけど、その前提が重要なんじゃないかな。
今のラクを求めるがゆえに諦めてしまうと「私は病気だから●●できない」「僕が▲▲なのは病気だからだ」というように他のことに関しても諦めてしまう思考のクセがついてしまうように思えてね。
それがいつの間にかその方の人生そのものにまでインプットされてしまう、それが一番僕は悔しい」と仰っていました。
返す言葉を探して、しばらく沈黙していると
「だからこそ、患者さんに病気への違和感を感じさせて導くことも、自分達医師の役割だと思っている」
と力強く仰っていました。
自分はもうだめかもしれない・・・
そう思うとその状況がずっと続いてしまうかもしれない、そんな風に感じてしまうことがあるかもしれません。
ですが、そんなときこそ「今のこの状況は違うよ」と力強く導いてもらえるリーダーの存在が医療・介護の業界には必要なのだ、そう改めて学ばせていただきました。
人事コンサルタント
金森 秀晃