「人と話すのが苦手」

「昔から話下手だから」

「人の話を聞くのは楽しいんだけど、つまらなそうに見えるみたい」

こんなふうに思ってる方いらっしゃいますよね。

ロイヤルスクールの生徒さんや、いろんな研修の受講生の皆様から、よく
「どうやったら、話が上手になれますか?」という質問をされます。

たとえば、先日
「患者様とのなんでもない会話が苦手なんです。何を話したらいいかわからなくて」
という看護師さんから、話し方について質問を受けました。

その答えは・・・
「会話がはずむのは、聞き役の人が上手に聞いているからなんです。話し上手になる必要なんてないんです。患者様の話を興味を持って聞いてあげることの方が大事です。」

入院中の患者様が
「家では犬を飼ってたんですけどねぇ・・・」と話したら、
「そうですかー。ワンチャン、お好きなんですね。」と聞いてあげる。
『聞く』というのは、ただ黙って聞くことではありません。
患者様が話している内容をよく聞き、患者様が犬と過ごしていた情景を思い浮かべながら、犬に会いたいと思っている気持ちに寄り添ってあげること。
相手の気持ちになって共感する、ということです。
共感の言葉は、なんでもいいのです。黙って聞いていては、相手に「共感」が伝わりません。
「そうだったんですねぇ」
「まあ、それはいいですねぇ」
というような簡単な返しでいいのです。意味のある立派なことを言おうとしなくていいのです。
そんなふうに聞いてくれる人と話をすることは、とても嬉しいものです。

自分の話をよく聞いてくれる人、
自分の話に興味を持ってくれる人、
自分を肯定的に受け止めてくれる人、

人は、そんな相手に信頼感を抱き、好意を持ちます。そこから信頼関係が始まるのです。

たとえば、よく話を聞いてくれる医師は、それだけで安心感や信頼感が生まれます。
「それはお辛かったですね」
と患者の気持ちに寄り添う言葉をかけてくれたりしたらなおさらのこと、
「この先生に診てもらえて良かった」と心の底から思うものです。

聞く側の姿勢一つで、話している相手の気分が変わるのです。

相手が
「もっと話したい」
「話してよかった」
「また話したい」
と思ってくれる聞き方ができれば、もう「聞き方上級者」です。

相手の話を聞きながら、
「で、それからどうしたんですか?」
と、その先の話を促したり、
「たしかに! わかります」
と同調したり、様々な簡単な返しをすることによって、話はどんどんはずみます。
相手も心地よく会話を楽しむことができるのです。

何か言わなきゃ・・・という思いで相手の話を聞くのではなく、相手が話したいことを受け止め
るつもりで聞いてみてください。どんな人とでも、会話がラクになるはずです。
話を受け止めている、というしるしとして「簡単な返しのバリエーション」だけ用意しておけば大
丈夫です。

『聞き上手はモテ上手!』

仕事だけじゃなくて、プライベートでも聞き役上級者になりましょう^^!

接遇マナー講師
尾形裕子